
最低賃金が今年もあがりますね。今年の引き上げ額は、全国平均66円。
フルタイムで働くとすると、月10,000円くらいですね。うまい棒にすると、1,000本です。すごいですよね。
確かに雇用している側からすると、大変さはありますし、多々思うところはありますが、賃上げをし続けられる体力のある企業づくりをがんばろうとも思います。
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「部下のモチベーションってどうやったらあがるんでしょう?」と相談をうけることがあります。
もし、最低賃金が従業員の権利の一つだとするのなら、義務として、10,000円分何が変わるのか。
労働時間が限られている中、生産性向上=成長してもらうしかありません。義務として…というより、そうでないと利益を維持向上させ、結局分配するための原資が確保できないのだから、そう考えるのは当然だと思います。
その相談を受けたとき、イギリスのことわざを思い出します。
馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない
アドラーの「嫌われる勇気」の中にも引用されていました。
自分が馬を水辺に連れて行ったとしても、馬が水を飲むかは馬次第だということ。
人は他人に対して、機会を与えることはできるけれども、それを実行するかどうかは結局本人次第です。"モチベーションを上げたい"と考えることも同じなのではないかと思います。
同じ福利厚生を導入しても、喜ぶ従業員さんもいれば、不平を言う従業員さんもいます。人数が多くなればなるほど、年齢、性別、国籍、多様な価値観が増え、誰しもが喜ぶ満場一致の名回答はありません。
なので、「部下のモチベーション、どうやったら上がりますか?」「あと一皮むけたら、大きく成長するんだけどどうしたらいいだろうか?」と聞かれたとしても、それは当の本人のみぞ知ることなので(なんなら、本人も分かっていないかもしれないので)、私には分からないです。
経営者・上司ができることは、水質を変えることだと思っています。馬が飲みたくなるよう、濁った水ではなく、きれいな水を準備する。私が部下であれば、水ではなくビールだったら諸手を挙げて、飲んでいると思いますし。
大前提のスタートは、部下の成長を思う経営者、上司の強い想いが必要になってきます。
しかし、"部下のモチベーション"とコントロールできないところに目を当てると行き詰ってしまいます。
"部下のモチベーションが上がるような環境"をひたすら改善し続けることしかないのです。そのために、私も、一緒に知恵を出し続けていきたいと思います。
中国では、パワハラがほとんどないそうです。仕事ができない社員がいた場合、お金を払って辞めてもらうので、人を変えよう(成長させよう)という考えがないそうです。
パワハラの主な要因は、一部の例外を除き、人に変わってほしいと思い間違った行動をとった結果です。
営業成績を上げてほしいから、営業成績の上がらない部下にきつく怒ってしまう、とか。元々の想いは、「成長してほしい」はずが、誤った行動にあらわれるのは、非常に残念です。
パワハラを改善していくために、先ずは「部下を変えることができない」と理解することが重要なのだと思います。
2019年のパーソル調査によると、日本人はアジア14か国の中で、勤務外で最も学ばない国民であることが分かりました。その中で、部下に経験と知識をつけさせ成長させることは、ウルトラC難度のことです。
部下を変えることはできないけれど、部下自身が成長したいと思える環境を整えていくこと。自分の現在地を認知させることです。
日本では、部下の仕事ができないのは上司のせい、私ができないのは会社のせい…という雰囲気があります。能力をつけるのは、上司でも会社でもなく、自分自身です。
水辺に連れて行ってもらった馬が、水を飲まなくて脱水症状を起こしたら、それは馬のせいです。
会社は、水質改善をし続け
部下は、能力向上をし続ける
そのような会社が1社でも増えたらという思いで、今回のブログを書きました。
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今週末、娘と旅行します。
毎年1回、息子と娘、それぞれと2人旅をします。目的地は、こどもたちが決定し、娘が選んだ先は城崎温泉です。隣の市なので、40分で行けます。しょっちゅう行きます。なんなら今日も行きました。
「え、そんな近く?日帰りでいけるやん」と言うと、「日帰りで行けるから、泊まることがないでしょ?」と言われました。
確かに、せっかくの旅行だから普段いけない所に…と思うのは、私の勝手な旅行に対する思い込みだったなと思います。ディープな城崎温泉を満喫しつつ、リフレッシュしてきたいと思います。