
視点をずらすって難しいですよね。
学生の頃に読んだ本で、感銘をうけたことがあります。なんの本か、著者もすっかり忘れたのですが、おおよそこんな節だったような。
〝月曜日が嫌だって?けどね、その月曜日は、君が嫌な次の月曜日から一番遠い日だよ″的な。
そんなばかな、気休めじゃないか…と当時は思いましたが、そういった思考回路の癖が大切だなと、最近はつくづく思っています。
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私にとって、お客様はだれでしょう。年末年始、今まで避けていた経営計画作りに向き合うか…と腹を括り、その中で反芻して考える問いです。
例えば、先月クリスマスがありましたね。我が家では、子どもたちが好きなものをリクエストして、親がその意向をサンタに伝え、25日の朝に届くシステムです。
息子は、最初、ゲームの課金カードをリクエストしました。しかし、様々な要素で、親の段階でそのリクエストは却下しました。結局は、次のリクエストであったゲームソフトが、サンタから届きました。
この場合、おもちゃ屋さんからしたら、お客様はだれでしょう。
こどもでしょうか?親でしょうか?はたまた、サンタクロースか。
人によって答えは色々あるのでしょうが、私の中では、お客様は「こども」で、評価者が「親」だと定義づけています。
おもちゃ屋さんは、こども達の目を輝かせ、夢を与える商品を販売します。こどもたちの「ほしい!」の意欲をかきたてる目線をもたないといけません。
ただしそれが購入されるかどうかは、評価者の判断にかかっています。
安全なのか、価格は適正なのか…いくらこども達が欲しいと思ったとしても、親の判断によって、実際に購入されないこともあります。
私は、労務環境を整える専門家として、お客様は「働く人々」、そして評価者が「社長」だと認識し、日々業務にあたっています。
なぜ社労士を依頼するか、それは企業(決定している経営者)ごとに違いますが、大きな目的は「企業を発展させるため、従業員さんたちが安心・イキイキと働ける職場環境にする」だと思っています。
その目的を達成するための手段の一つに、社労士の選択肢があれば嬉しいなと思います。
しかし、この「お客様」と「評価者」の視点をつい忘れてしまうと、目的からそれた行動をしてしまいます。
例えば、社長をお客様だと思ってしまうと、
「従業員さんにはこっちの方がいいけれど、社長には耳が痛いことだと分かっている…嫌な気分にさせてしまうかも」と言葉を飲み込んでしまったりするかもしれません。
しかし、お客様を「そこに働く人々」としっかり認識できていると、「言わないといけないことはきちんと伝える」意識に変わります。
一方で、お客様ばかり目を向けていると、いくら私が「これは完全に働く人々にとっていいんです!」と叫んだところで、評価者である社長には良しと判断されず、形にすることができない可能性もあります。
従業員さんの安心と成長、企業の発展をのぞんでいない社長はいないのに、それはもったいないです。
働く環境を一歩でも豊かなものになるよう、その内容を考え尽くし、どんな手法で・どのように伝えていくのか。
「お客様」と「評価者」のバランスをずっと大切にしつつ、仕事に邁進したいなと思います。
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遅ればせながら、2024年は大変お世話になりました。2025年も、どうぞよろしくお願いいたします。
毎年恒例になりつつある、正月登山、今年も行ってまいりました。
ハイスピードで登ることより、近道を模索することより、一歩ずつ着実に歩みをとめないこと。それが重要なのだと痛感します。
2025年、皆様にとって幸多き一年となりますように!

